痛みを感じる仕組み

最初に、なぜ人は痛みを感じるのか、痛みのメカニズムについて解説します。

大人になるとあまり身体的な痛みを感じる機会は少ないかもしれません。
転んだり、ぶつかったり、手を切るなど小さいころに経験した痛みは、可能であればあまり感じたくない感覚の為、その行為を行わないように行動するようになりますよね。

このように痛みは経験となり、人を傷つけないようにする為の防御思考の元ともなっていることでしょう。

既にご存知かもしれませんが、そもそも痛みは人間の脳が感知することによって発生している現象です。

人間の細胞が刺激や破損をした際に、発痛物質と言われるカリウムイオンやアセチルコリン、セロトニンが放出されます。
この発痛物質が自由神経終末と呼ばれる知覚神経の末端に届くと、今度は痛みに関する電気信号に変わります。
この電気信号が感覚伝導路と呼ばれる脊髄から脳までを走る高速道路を通り大脳皮質にある体性感覚野という場所に届きます。
そして体性感覚野にて送られてきた電気信号の先にある神経細胞を反応させて、人に痛みを感じさせます。
この間、約秒速30mと言われており、鈍い痛みの場合は秒速2m程と言われています。

また、痛みを感じる感覚は人によって違うといわれています。

よく針の上を歩く人や燃えた灰の上を走るなど、自身の痛覚を超えた人の行動や話をテレビなどで見たこともあるでしょう。
そのようなことをできる人もいれば、できない人もいます。

痛みを感じた後、私たちは痛みが更に広がらないための行動をします。
例えば何か尖ったものに指が触れることで痛みが生じた場合、これ以上痛む行為を広げない為に手を引っ込めるという動作をします。
この動作は、痛みを受け取った脳が運動伝導路という身体に何かしらの動作をさせる為の高速道路から伝わる電気信号によって行われています。
それと同時に痛みを緩和させようとして脳内麻薬と言われるエンドルフィンやエンケファリンを放出します。
この物質は、いわゆるランナーズハイと言われるような激しい運動で肉体を酷使し続けた際ある一定の許容量を超えると出てくる幸せホルモンの一つです。
これを感じることで一度感じた痛みを緩和させることができています。

この仕組みを知れば、脳内が放つ物質量や脳の処理能力、脳内物質の伝達率によって人の痛みの感じ方が千差万別になることが分かります。

この痛みの経験を通して、人間は如何に外敵や障害を避け、自分自身に害のないように生きればよいか、自動的に動くことができるようになっています。

これだけ緻密なプログラミングをされているのは、やはり人間以外にないのではないでしょうか。

≪痛みの種類と特徴≫
侵害受容性疼痛
神経障害性疼痛
心因性疼痛

代表的な痛み止め薬

アスピリンとは、ドイツのバイエル社によって開発されたアセチルサリチル酸の商標名です。
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)の代表的な痛み止めに分類されます。

アスピリンの薬理

アスピリンはNSAIDsの中でも、サリチル酸系に属します。
強い胃腸障害の副作用があるサリチル酸を、バイエル社の博士によってアセチル化され、消化器官の副作用が少ないアセチルサリチル酸が合成、開発され、世界初の人工合成薬剤として誕生したのがアスピリンです。

作用としては消炎・鎮痛作用があります。

それら以外の作用としては、後に抗血小板作用が発見され、現在、日本の処方箋薬ではバイアスピリンや、バファリン81という商品名の薬剤が心筋梗塞や心カテ・バイパス手術後の血栓形成の抑制に処方され、鎮痛剤としてよりも日本では抗血栓剤として有名な薬剤となっているようです。

アスピリンが持つさまざまな作用

胃腸障害の副作用

アスピリンは胃腸障害が少ないと報告されていますが、多量の服用では胃炎が発症するので、いずれにしても依存には注意が必要となります。

ちなみに、日本の医療機関で多用されるロキソニンや、ボルタレンでも胃腸障害の副作用があり、服用間隔には注意しなければなりません。

アメリカではNSAIDsの用量依存で、胃腸障害の入院患者が激増していることが報告されています。

胃腸障害の少ないNSAIDsとして、その他代表的なものとしてはセレコックスがあげられます。

アセチルサリチル酸は、サリチル酸より胃腸障害の副作用を軽減させるために合成され、またコキシブ系薬剤は、胃粘膜に対しての障害・炎症や、アスピリン喘息の副作用が少なくなっているといったように、アスピリンの人工合成を皮切りに、様々な薬が合成され、進化を遂げ、用途・症状・体質によって使い分けができるようになりました。
便利な時代となったわけです。

セレコックスの特徴

胃粘膜に対する副作用が少なく、適量であればアスピリン喘息の既往があっても服用可能です。

ニューキノロン系抗菌薬との併用が禁忌ではないこと、また、即効性は同分類のロキソニン(ロキソプロフェン)が勝りますが、持続性はセレコックスが勝るといった効用が報告されています。

アスピリンと類似薬

痛み止めというと、現在では市販でも手に入れやすく色々な種類の薬が販売されています。

その中で最も昔から使用されいてる成分がアスピリンです。

このアスピリンはアセチルサリチル酸ともいわれる成分で、現在もアスピリンという商品名で販売されている痛み止めの薬です。
元は紀元前400年にも遡り、ギリシャの有名なヒポクラテスという医者がヤナギの葉からとれるサリチル酸がもたらす解熱及び鎮痛効果を期待して分娩時に用いたという記録を残しています。

しかし、サリチル酸は重い胃腸障害が出る為、その副作用を軽減する為に1897年にドイツのバイエル社によってサリチル酸を改良したアセチルサリチル酸という化合物が作られたという歴史があります。

アスピリンは1900年に発売されて以来ずっと現在にまで使われている最も有名で効果が実証されてきた薬といえます。

この薬は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と呼ばれる解熱鎮痛剤が多く分類される種類の一つです。

アスピリンの主な効果

アスピリンは主に、次のような痛みを抑えます。

関節炎
偏頭痛
歯痛
腰痛
筋肉痛
生理痛

また、アセチルサリチル酸の持つ、血液を凝固させ難くするという作用から、抗血小板薬としても使われています。
このことからも、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞など循環器系に関わる疾病の治療に使われるケースがあります。

アスピリンとカロナール

アスピリンに対して、カロナールという薬があります。
この薬は解熱鎮静剤でありながら、アスピリン喘息の元とならないアセトアミノフェンを主成分としている為、NSAIDsに分類されていない珍しい薬です。

その為、アスピリン喘息に掛かっている方でも飲める痛み止めとして重宝されています。

アスピリン喘息とは、薬から刺激を受けた肥満細胞がロイコトリエンという気管支を狭め圧迫する作用がある物質を大量に放出するために発症する症状です。
この症状を起こしたことがある人が痛みを発症した場合、アスピリンというすぐれた痛み止めを使用することはできません。

カロナールの成分であるアセトアミノフェンは、アスピリンと違い抗炎症作用がありませんが、胃への負担も軽いため、胃腸障害がある人でも服用しやすい薬でもあります。
しかしながら、肝臓への負担が大きく肝臓障害になりやすいことから、アルコールと一緒に服用することは禁忌とされています。

このように万能に効く痛み止めですが、やはり副作用と飲み合わせには十分注意をするべく、使用上の注意事項は十分に理解、守ったうえで使うことが大切です。

更に、ご自身の症状と照らし合わせ、どの薬が自分に必要なのかを見極めて使用することが肝要です。

痛み止めの種類

ザイロリック